不動産クラウドファンディング「CREAL」が大ヒット!クリアル株式会社 横田社長インタビュー

不動産クラウドファンディング「CREAL 」が大ヒットしている、クリアル株式会社の横田社長にインタビューさせて頂きました。

CREAL誕生の背景や裏話など、普段なかなか聞くことができないお話を聞くことができましたので、インタビューの様子をお届けします。

目次

インタビュー(2022年6月6日@クリアル株式会社)

クリアル株式会社について

菊地:本日はよろしくお願いします。

横田社長:よろしくお願いします。

菊地:始めにクリアル株式会社について色々お伺いできればと思っています。どのような事業を行っている会社でしょうか?

横田社長:はい。弊社の特徴は大きく分けて2点あります。

1点目は「資産運用DXカンパニー」という側面です。不動産投資における資産運用プロセスにおいて、ITを活用して効率化していくためのシステムを開発しています。そういったシステムがあることや、それを生み出せるエンジニアがいることが特徴です。

2点目は当社で開発したシステムのうち主力のプラットフォームの一つである「不動産クラウドファンディング」、こちらは「CREAL (クリアル)」という名称でサービス展開をしておりますが、1口1万円から不動産投資による資産運用を行えるサービスで業界No.1の運用実績がございます。このインターネットで不動産に投資している市場は非常に成長している市場で、年率平均成長率は約68%で伸びてきています。その中で弊社は3年連続資産運用残高No.1です。成長市場でのリーディングカンパニーとなっております。

菊地:3年連続はすごいですね。

横田社長:不動産投資は日本では何かネガティブなバイアスがかかってるというか、いまいち資産運用手法として一般個人から評価されていないように思います。

不動産投資は他の上場の金融商品である株式と比べて、価値がその物にあって、元本が安定していて、金融市場の影響を受けにくいという特徴があります。そのリターンの安定性から多くの投資のプロや適格機関投資家、年金機構等が、資産運用のポートフォリオに組み入れています。

一方で、参加者は富裕層や機関投資家に限定されています。これは、借り入れが必要だったり、結構難しい業界用語や金融用語を理解する能力が必要でハードルが高いためです。

また、アナログな管理手法が多くて、様々な業務がマンパワーに頼っていたり、FAXなんかも使っているような非常に古臭い業界であるという点も課題だと思っています。

それを我々はITを使って不動産投資を効率的なものへ変えて、クラウドファンディング技術を利用することで誰もが少額から不動産投資で資産運用を行えるような社会に変えることをコーポレートミッションとして活動しています。

グループ全体では3つのサービス(詳細は後述)を提供していますが、主力事業は、個人向けの資産運用事業です。家計の金融資産の約半分の1,000兆円が現預金と言われていて、それを有効活用することが日本の成長に繋がるのではないかと思っています。

また、個人レベルでの資産運用事業は追い風だと感じております。岸田総理からも「資産所得倍増計画」というワードが出たりしていますね。

菊地:高校生の授業のカリキュラムにも金融教育が加わったりして、確かに追い風ですよね。そういった学生が将来、御社の顧客になったりするかもしれませんよね。

横田社長:まさにその通りです。また、個人向けの資産運用事業はITを活用しやすい領域だと思っております。

グループ全体のサービスの1つ目は、個人投資家の1万円からの運用(である「CREAL」)、2つ目はクリアルパートナーズで提供している商品でのIT活用ですね。こちらは1,000万円からの商品と銘打っていますが、DXを活用した実物不動産を通じた資産運用サービスとなっております。投資の主要な対象は都心部の中古区分レジデンスとなっております。

菊地:なるほど。実物資産ということですね。

横田社長:はい。これも古臭いやり方ではなく、きちんとITを使っていこうと考えています。弊社も効率的に販売し、オーナーも効率的に運用してもらうサービスです。

3つ目は弊社が昔から行っているプロ向けの不動産ファンド事業です。

この3つをサービスラインアップとして展開していてIT活用を積極的に取り入れていきたいと考えています。

菊地:やはり1万円から投資できるCREALは敷居が低くていいですよね。

横田社長:そうなんです。今までの不動産投資は大きな資金が必要で借金をしないと投資できないとか、時間がないとできないとか、きちんと用語わかってないとできないといったことが課題でした。

CREALは1万円から誰もがオンラインで完結できる不動産投資です。このことを「不動産投資の民主化」と弊社では呼んでいるのですが、それを広げていきたいと思っています。資産運用そのものを皆に始めてもらうことが目標です。

菊地:「不動産投資の民主化」とは良い表現ですね。ちなみにCREALという名称はどういう由来でつけたのでしょうか?

横田社長:不動産投資は、透明性が低く、情報の非対称性がある点が問題です。要は、売主である不動産会社の方が知識が豊富で、情報弱者である個人に優位に販売が可能であるということですね。この問題を解消しよう、情報を全てオープンにしよう、という想いから「Clear Real Estate」という言葉を略して「CREAL」にしました。

菊地:なるほど。非常に分かりやすいネーミングですね。

横田社長:よく聞かれる質問なので、説明がすっかり上手くなりました(笑)

菊地:(笑)次にCREALの類似商品としてはJ-REITが挙げられると思うのですが、J-REITとはどの辺りが異なるのでしょうか?

横田社長:大きく3点の違いがあります。

1点目は「投資の手軽さ」です。CREALは1万円から投資ができます。J-REITは銘柄によって異なりますが、最低でも数十万円必要です。

2点目は、「安定性」です。これが一番の違いです。CREALは日々の価格変動はしない商品設計です。さらに、弊社がファンドを組成します。そして弊社でも皆様と一緒に投資を行っています。販売して終わりというわけではなく弊社も一緒に投資するということですね。

CREALで運営しているファンドを償還するときは、物件を売却する必要があります。売却したお金を用いて皆様へ元本償還を致します。

ただし例えば1億円で買った物件が1億円で売れれば良いですが、9,000万円でしか売れない場合もあります。そういう場合は弊社の出資部分から先に損失を負担します。

その代わり、キャピタルゲインが出た場合には弊社も利益を頂くという仕組みとなっております。

そのため弊社としてはリスクとリターンのバランスが取れているというわけです。
当社も出資しておりますので、もちろん、キャピタルゲインが得られる物件しか対象にしません。

菊地:キャピタルゲインが得られる物件しか対象にしないということは、それだけ(不動産物件に対する)目利きに自信があるということですね。

横田社長:はい。そういった自信がある商品しか売ってないという点も投資家さんに共感をして頂いています。資金が順調に獲得できている要因にもつながっています。

一方、REITは元々不動産のリスクリターンに似せて作ろうと思った商品ですが、やっぱり株価と連動しやすい傾向があります。株式相場が動くとREITの価格も動いてしまいます。REITは日々、値洗い(*1)されてしまうわけですね。

あと、REITは詳細かつ分かりやすくするために、各種情報が開示されていて、情報透明性が高いと思いますが、ただ、専門用語が多数使われているので、理解するのがなかなか難しいかなと思っています。

CREALはWebサービスの特性を生かし、動画を使ったりイラストを使ったりして分かりやすい説明を心がけています。情報を細かく説明すると同時に、より分かりやすくしている点はCREALの特色の一つです。

菊地:CREALとREITは色々異なるんですね。投資初心者はCREALの方が手軽で良さそうですね。

不動産業界とITについて

菊地:御社のホームページを拝見していて面白いと思ったのが、エンジニアの方を中心に色々な人材を抱えている点です。不動産業界はなかなかITが浸透しにくい業界だと思うので、エンジニアの方がいるのは新鮮でした。

横田社長:そうですね。豊富な人材は弊社の特色の一つです。例えばIT企業やコンサル会社、会計事務所、投資ファンド出身者など、いろいろなバックグラウンドを持った人が集まっています。こんな会社なかなかないと思います。

菊地:豊富な人材がいることが、早期の上場に至った成功要因でしょうか?

横田社長:そうですね。システム開発を外部委託に頼ってしまうと納期の遅れが発生してしまったり、コミュニケーションの違いから想定していたようなシステムが開発できないケースもあると思います。

菊地:外部委託したのはいいけれど、開発会社に不動産知識がなくてシステム開発が滞ってしまったりする恐れもありますよね。

横田社長:そうですね。IT技術があっても不動産知識がないと開発したシステムにも偏りが生じてしまいますね。

CREALの投資対象物件は、保育園や学校、ホテル、オフィス、一等地のワンルーム等範囲が広いんですよね。商品のバラエティーが豊富な点も差別化ポイントであり、競争優位性があるポイントだと思います。

菊地:保育園、学校も投資対象なんですね。そんな不動産会社は初めて聞きました。

横田社長:はい。弊社ではそういったESG投資に注力しています。

菊地:ESG投資は注目を浴びてますもんね。

横田社長:はい。近いうちに、老人ホームも投資対象にしたいと考えています。各方面のプロフェッショナルが揃ってきているので十分実現可能かと思います。

菊地:なるほど。あとすごいと思ったのは(投資)利回りです。LINEで送られてくる物件情報を見ると年率4〜5%位と高いですよね。預金金利が非常に低い現状では、大変魅力的に感じます。

横田社長:そうですね。CREALは、これまで(投資)利回りは3〜8%位、投資期間は1〜2年間というラインナップです。これだけの利回りの商品を提供できているのは、弊社の目利きの力によるものです。ワンルーム投資だと、利回りはネットでせいぜい3%が良いところだと思います。

菊地:新規募集をかけてもあっという間に完売になるのも納得です。

横田社長: 約2億円のシミュレーションゴルフ場の案件は40秒程度で完売になってしまいました。

菊地:え?40秒ですか?すごい勢いですね。

横田社長:直近の物流施設、こちらは約11億円の物件なのですが、昔は1ヶ月位かけないと完売にならないサイズかと思うのですが、わずか1時間24分で完売になりました。

菊地:すごい。大人気ですね。

東京証券取引所グロース市場へ上場して変化したこと

菊地:2022年4月28日にクリアル社は東京証券取引所グロース市場へ上場しましたが、上場したことで変わった点はありますか?

横田社長:弊社や不動産投資クラウドファンディングの知名度が上がりました。インターネットで不動産投資ができるということの認知度は、弊社の上場によって少しは高まったと思います。10億円クラスのクラウドファンディングの募集がすぐに完売となってしまうのは、当社の上場の寄与も大きいと考えています。

菊地:上場した恩恵を受けまくっているわけですね。

横田社長:他にはクレジット(信用)もより一層高まりました。

菊地:金融機関から融資を受けやすくなったということですか?

横田社長:はい。その通りです。

基本的にCREALはクラウドファンディングなので、銀行さんからの借入は不要なビジネスモデルです。

ただし、会社の基礎基盤としてバンクフォーメーションは大事だと思っています。最近は多くの銀行さんから(融資の)お声がけを頂いています。

菊地:バンクフォーメーションは確かに大事ですよね。また御社の株価は上場後、安定した値動きをしていますね。

横田社長:そうですね。中長期的な企業価値向上とともに、株価も上げていきたいと考えています。

菊地:株価は今後も期待できそうですね。

CREALのターゲット層について

菊地:CREALはどんな人をターゲットにしているのでしょうか?やはり投資初心者や不動産投資に対して消極的な人でしょうか?

横田社長:まさにその通りです。

現在のCREALのユーザーさんは8割が投資経験者なんですよね。
Webマーケティングで投資経験がある人達の興味を引きそうなワードなどを活用してきたためです。

繰り返しとなりますが、家計の金融資産の約半分の1,000兆円が現預金と言われていて、それを有効活用することが日本の成長に繋がるのではないかと思っています。政府と同様、弊社も資産運用を広めていきたいです。

そのため、他社さんとアライアンスを組んで、TポイントやJALといった一般的に投資とかけ遠い世界にいる方々がCREALに投資をしてもらえるような仕組みを作ったりしています。

あとは、分かりやすいユーザーインターフェース、いわゆるUI、UXを心がけ、日々向上させています。

また今後はテレビCMを活用してマスマーケティングを大々的に行っていきたいです。

菊地:テレビCMを流したら、さらに完売までの時間が短くなりそうですね。

CREAL組成時に苦労した点

菊地:CREALを組成するにあたって、苦労した点を教えて頂いてもよろしいでしょうか?

横田社長:そうですね。最初は産みの苦しみということで、サービスを認知してもらう点で苦労しました。弊社は怪しい者ではないですよ、というところからインターネットを介して説明する必要がありましたからね(笑)

菊地:投資系はどうしても怪しいイメージがありましたもんね。最近は、投資に関する本なんかも色々出版されていて、まさに追い風になってきていますよね。今後は取り扱う物件数をより増やしていく予定でしょうか?

横田社長:はい。その通りです。今年は90億円から100億円分位、クラウドファンディングにてファンド募集を行いたいと思っています。

他には、約7割のユーザーさんがスマートフォン経由でCREALにアクセスしてくれているので、専用のネイティブアプリを年内にはリリースしたいと思っています。

また会員ランク機能も考えています。頻繁に利用していただけると、ランクが上がる仕組みです。

そうすることでさらにCREAL上で調達する金額、GMV(販売総額)を更に増やしていきたいです。

菊地:会員ランク機能は、ランクが上がったらどのようなメリットがあるのでしょうか?

横田社長:(クリアルの投資)追加利回りの付与を考えています。

菊地:(投資)利回り上昇はユーザーにとっては嬉しいですね。

マナブロの読者へのメッセージ

菊地:最後にマナブロを読んでいる人にメッセージをお願いします。

横田社長:マナブロを読んでいる方は、多分、資産運用に興味を持ち始めた方だと思います。株式、債券に次ぐ伝統的な資産運用の手法である不動産投資にも是非興味を持っていただきたいです。

冒頭にお話した通り、不動産投資はミドルリスクミドルリターンで、本来なら安定的なリスクリターンが取れる資産運用だと思います。

でも日本で過小評価されているのは、(実物資産の不動産の場合)基本的に借入をしなくてはいけないということがネックになっているからだと思います。

その点、CREALはまさに(不動産投資の)いいとこ取りで、身の丈に合った投資が可能です。

まずはCREALで1万円から投資を始めて頂いて、投資におけるリスクリターンの感覚に慣れてきたら徐々に投資金額を積み増していったり、もしくはクリアルパートナーズで販売している現物のワンルームマンションに投資をするといったように、徐々にレバレッジをかけて高いリターンを求めるような流れも一つの選択肢かと思います。

菊地:本日はありがとうございました。

横田社長:こちらこそありがとうございました。

*1 値洗い・・・元々の値段を時価で洗い直すこと
*2 レインズ・・・国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理している不動産流通標準情報システム

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